みらリコ小説 その1

 カーテンの隙間越しから入る陽の光。それが当たり、真っ暗だった視界が眩しく、そして同時に意識が現実へと引き戻される感じだった。

「ん……」

 光が眩しく、無意識に手を顔に持っていき光を遮断。再び暗闇になりもう一度意識を……

 と、思ったけど、思考も一緒に現実に引き戻されたらしい。

(今日は……休みだからもう少しだけ)

 少しだけ戻った思考で結論を出す。

 結論が出た結果、私はもう一度意識を手放そうと、うつ伏せに体勢を変えた。

 こんな体勢生徒には見せられないかも……でもまあ、今日は休みだしいいわよね。

 そんなことを考えながら、そのまま意識を……とはいかなかった。

 枕に染み付いた匂い。それが急激に私の意識と思考を現実に戻した。

 でもそのまま起きることはなく、私はほぼ無意識に枕に顔を押し付けるようにし、そのまま少しの時間が過ぎ……無意識の行動に気づき勢い良く枕から顔を上げた。

「……なにやってるのよ私」

 顔を赤くしながらもベッドを降り、上着を羽織りそのままリビングに向かった。

 太陽も昇り始めてるから幾分かはましだけど、やはりまだ寒く私はすぐに暖房をつけた。

 そしてそのままフィルターとコーヒー豆、水の準備をしてコーヒーメーカーのスイッチを入れる。

 動いているのを確認した私は一旦部屋へ戻り、寝間着から普段着に着替え、洗面所で顔を洗う。

 一通り終え、再びリビングに戻りトースターでパンを焼く。

 普段ならここにサラダとかスープとかそういうのも作るけど今日は休みだしこれぐらいで大丈夫だろう。

 抽出が完了したのを確認し、カップにコーヒーを注ぎ、丁度パンも出来上がったからお皿にパンを置いてテーブルに置いた。

 私も椅子に座り、そのまま朝食だ。

「いただきます」

 テレビを付けて適当なチャンネルをボーっと見ながら食べ進める。

 特に変わりない日常だ。

「……はぁ」åå

 変わりない日常のはず。だけどため息をつく私。

 理由はただひとつだった。

 変わりない日常。

 それはあくまで魔法界での私の家だったら、こんなためいきは出ない。

 なにせ、ここはナシマホウ界。

 かつ普段であればここにもう一人、よく喋る人がいるはず。

 ここまで言えば分かるだろう。

 つまりは私は今……みらいと一緒に住んでいるこの一室で一人で過ごしていた。